個人タクシーの資格試験は、現在は法令試験が中心だ。
東京23区・武蔵野・三鷹(特別区・武三交通圏)で受ける場合、関東運輸局の公示では、問題数は45問、合格は41点以上、試験時間は60分と定められている。
この記事では、地理試験が廃止された経緯、出題範囲、申込から合格証までの流れ、勉強の進め方、合格後に申請できなくなる落とし穴まで、公示と業界団体の案内をもとに整理する。

試験は1科目になった。だが、楽になったと思うのはまだ早い。中身と段取り、両方を押さえていこう
- 現行の法令試験の中身(問題数・合格点・試験時間・出題範囲)
- 試験の時期と、申込から合格発表・合格証までの流れ
- 勉強を始める時期と方法、合格証を失効させないための注意点
1.個人タクシーの資格試験は「法令試験」が中心。地理試験は廃止された
まず結論から言う。今の試験は法令試験だけだ。古い話に振り回されないよう、順に整理しておこう。
試験は事前試験と申請後試験の2種類
個人タクシーの試験は、受けるタイミングによって2種類に分かれる。
- 事前試験
開業の申請をする「前」に受ける試験 - 申請後試験
開業の申請をした「後」に受ける試験
関東運輸局では、令和8年4月1日以降の申請から、申請後試験の対象がほかの個人タクシー事業者から事業を譲り受ける人(譲渡譲受)と、事業を相続する人に限られた。
つまり、新しく許可を申請するには、先に事前試験に合格しておく必要がある。
譲渡譲受の場合も、事前試験に合格していれば、合格証の期限内は申請後試験を受けなくてよい。この記事では、事前試験を中心に説明する。
出典:日個連東京都営業協同組合「開業までの流れ(申請後試験)関東運輸局の場合」
地理試験の廃止で変わったこと・変わらないこと
「個人タクシーの試験には地理試験もある」という古い情報は、今もネット上に残っている。
しかし、日個連東京都営業協同組合の受験要領によると、地理試験は令和6年5月の国土交通省の公示をもって廃止された。
一方で、年齢別の運転経歴要件は変わっていない。試験が1科目になっても、受験や開業のハードルが下がったわけではない。
試験の内容は運輸局ごとの公示で決まる(地域差の注意)
個人タクシーの試験は、営業区域を管轄する地方運輸局が公示に基づいて実施する。
そのため、問題数や合格点は地域によって異なる。東京以外で開業したい場合は、管轄の運輸局の公示を確かめてほしい。確認の手順は、9章で説明する。
この記事で示す問題数や合格点、出題範囲、受付期間は、関東運輸局の公示(令和8年2月17日改正)にもとづくものだ。主に東京23区・武蔵野・三鷹で開業する場合を想定している。
関東運輸局の公示では、タクシー業務適正化特別措置法の特定指定地域かどうかで、問題数や出題範囲が変わる。日個連東京の過去問ページでは、関東の特定指定地域として特別区・武三交通圏と京浜交通圏が示されている。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)/日個連東京都営業協同組合「過去の運輸局試験問題」


2.法令試験の中身|問題数・合格点・時間・形式
中身が分からなきゃ、勉強のしようがない。まずは試験の骨格からだ。
45問・41点以上・60分(東京23区・武蔵野・三鷹の場合)
関東運輸局の公示では、法令試験は1問1点で、問題数・合格基準・試験時間は区域によって次のように定められている。
| 区域 | 問題数 | 合格基準 | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 特定指定地域(特別区・武三交通圏、京浜交通圏) | 45問 | 41点以上 | 60分 |
| それ以外の区域 | 40問 | 36点以上 | 50分 |
特定指定地域では、基本の40問に、タクシー業務適正化特別措置法に関する問題が5問加わる形だ。
45問を60分で解くと、1問あたりに使える時間は、単純に割って1分20秒ほどだ。問題文を読み、条文の内容を思い出して判断する速さと正確さの両方が求められる。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
○×方式と語群選択方式とは
設問の形式は、公示では○×方式と語群選択方式の2つが示されている。
○×方式は、示された文章が正しいかどうかを判断する形式だ。
語群選択方式は、文章の空欄に当てはまる語句を、示された語群の中から選ぶ形式だ。
どちらも、条文の言い回しを正確に覚えていないと迷いやすい。数字や期限、「できる」「しなければならない」の違いなど、細部が問われる場合がある。
勉強の際は、内容をなんとなく理解するだけでなく、条文の言葉づかいに慣れておくことも大切だ。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
試験後の結果公表と、問題の持ち帰り
試験問題は、試験終了後の持ち帰りが認められている。自己採点ができるので、手応えと結果を見比べておくと、不合格だった場合の復習にも役立つ。
試験を欠席した場合は、原則として不合格とされる。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
3.出題範囲は条文単位で決まっている
範囲が決まっているのは、受ける側にとっては助かる話だ。何が範囲かを先に押さえよう。
道路運送法関係法令(法・施行令・施行規則・運輸規則・標準運送約款・通達など)
出題範囲の中心は、道路運送法関係法令だ。法令・規則と通達の2つに分けると整理しやすい。
法律・政令・省令と標準運送約款
公示の別表を初めて見ると、法令の名前がずらりと並んでいて、どこから手を付けるか迷う方も多いだろう。関東運輸局の公示の別表には、まず次の法令・規則が挙げられている。
- 道路運送法、道路運送法施行令、道路運送法施行規則
- 旅客自動車運送事業運輸規則、旅客自動車運送事業等報告規則
- 一般乗用旅客自動車運送事業の標準運送約款
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)別表
個人タクシーや運賃に関する通達
あわせて、次の通達なども出題範囲に含まれている。
- 個人タクシー事業の許可期限の更新等の取扱いについて
- 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金に関する制度について
- 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金の認可の処理方針について
- 運転免許取消処分を受けた個人タクシー事業者の取扱い等について
- その他個人タクシー事業の遂行に必要な事項(公示及び通達を含む)
すべてを同じ重さで読み込むのではなく、まず別表を印刷し、自分の弱い項目に印を付けていくと、勉強の優先順位が見えやすくなる。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)別表
タクシー業務適正化特別措置法(東京は法律全体が範囲)
特別区・武三交通圏や京浜交通圏で受験する人が特に注意したいのが、タクシー業務適正化特別措置法だ。
関東運輸局の公示の別表では、特定指定地域の場合、同法の全条文と施行規則、関係する告示・通達、タクシー乗り場や乗車禁止地区に関する事項まで出題範囲に含まれている。
特定指定地域以外の区域では、範囲が限られる。
指定地域では法律の第44条から第47条まで、それ以外の区域では第46条と第47条などだ。地方の資料を見て「限られた条文だけ」と思い込まないよう、自分の区域の別表を確かめてほしい。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)別表
道路運送車両法関係法令(点検整備・検査・自動車事故報告規則など)
3つ目の範囲は、道路運送車両法関係法令だ。こちらも、法律の条文が個別に指定されている。
たとえば、自動車登録番号標に関する条文、日常点検整備や定期点検整備、点検整備記録簿、自動車の検査と自動車検査証に関する条文などだ。
あわせて、自動車点検基準、道路運送車両の保安基準のうち指定された条文、自動車事故報告規則なども範囲に含まれている。
自分の車を自分で管理する個人タクシー事業者にとって、点検整備や検査は日々の仕事そのものだ。事業者としての基本知識を確認する範囲と考えると、理解しやすい。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)別表
4.受験できる人は?受験資格の確認ポイント
受けられなきゃ始まらない。確認ポイントだけ手短に押さえておく。
第二種免許・年齢・運転経歴の3点
関東運輸局の公示では、事前試験の受験資格は次の3つだ。
- 有効な第二種運転免許(普通免許、中型免許、大型免許に限る)を持っていること
- 年齢が65歳未満であること(審査基準Ⅱによる一部の区域の許可では80歳未満)
- 審査基準の運転経歴の要件に適合していること
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
事前試験の受験資格は「申込日現在」で見る
受験資格は、受験の日ではなく、受験を申し込む日で判断される。公示では、上の3つを「試験の申込日現在」で満たしている必要があるとされている。
日個連東京の受験要領によると、事故や違反から3年が経っていなくても、受験そのものはできる。
ただし、35歳未満の人は運転経歴の要件に「無事故無違反」が含まれているため、この扱いにはならない。
なお、受験できることと、合格後すぐに開業申請ができることは別だ。開業申請の時点で、法令遵守などの要件を満たしている必要がある。
年齢ごとの運転経歴の細かい要件は、管轄の運輸局が公示している審査基準で確認してほしい。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)/日個連東京都営業協同組合「事前試験の受験要領」


5.試験はいつ?申込から合格発表・合格証までの流れ
試験はそう何度もあるもんじゃない。時期を外せば、次まで待つことになる。
年3回(3月・7月・11月)と受付期間の目安
試験は3月・7月・11月の年3回だ。関東運輸局の公示では、試験月ごとの受付期間は次のとおりだ。
| 試験月 | 受付期間 |
|---|---|
| 7月 | 4月1日〜5月31日 |
| 11月 | 8月1日〜9月30日 |
| 3月 | 12月1日〜1月31日 |
この受付期間は、令和8年2月17日の改正で、令和8年4月1日以降の申込から各2か月に広がったものだ。改正前は各1か月ほどだった。
受付は試験月の1〜2か月前に終わる。試験の月だけを見ていると、申込の機会を逃してしまう。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
申込から合格発表までの流れ
公示が定める流れと、実際の合格発表の様子を分けて見ておこう。
公示が定める手続きの流れ
関東運輸局の公示にもとづいて流れを整理すると、次のようになる。
- 受験申込書を、営業区域を管轄する運輸支局を経由して関東運輸局長あてに提出する(運転免許の有効期限などを証する資料の写しを添付)
- 運輸局から試験の日時と場所が通知される
- 筆記の法令試験を受験する
- 試験実施月の翌月に合格者が公表され、合格証が発行される
受験の資格を確認するために、運輸局が必要な書類の提出を求める場合があることも、公示に書かれている。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
合格発表と合格証の受け取り
公示では、結果は関東運輸局報への掲載と、関東運輸局・運輸支局の掲示板への掲示で公表される。
日個連東京は、関東運輸局の場合、合格発表は試験の15〜30日後くらいの原則木曜日に公示され、合格者には合格証が郵送されると案内している。
不合格者への個別の通知はなく、公示に自分の番号がなければ不合格という扱いだ。
出典:日個連東京都営業協同組合「開業までの流れ(事前試験)関東運輸局の場合」
合格証の有効期限は「発行日から2年」か「65歳に達する日の前日」の早い方
合格しても、合格証には期限がある。関東運輸局の公示では、合格証の有効期限は、次のいずれか早い日だ。
- 合格証の発行日から2年を経過する日
- 年齢が65歳(審査基準Ⅱによる一部の区域の許可では80歳)に達する日の前日
日個連東京の受験要領は、発行日は試験日ではなく、試験の半月から1か月後の合格発表の日になると説明している。
この有効期間の中に、開業の申請(新規許可の申請や譲渡譲受の申請など)を行う必要がある。
段取りが肝心だ。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)/日個連東京都営業協同組合「事前試験の受験要領」
6.難易度は?「41点以上」の意味と、勉強を始める時期
難しいのか、と聞かれたら、まず数字を見て判断してほしい。
45問中4問しか落とせない、という意味
東京で受ける場合、合格基準は45問中41点以上だ。言い換えると、間違えてよいのは4問までということになる。
たとえば直前の模擬問題で39点なら、合格まであと2問だ。この2問の差を埋めるのが、意外と難しい。
この基準で大切なのは、広く浅く知っていることよりも、範囲が決まった条文を取りこぼさないことだ。ひっかけの選択肢や、数字・期限の細かい違いに足をすくわれると、すぐに4問を超えてしまう。
間違えた問題は、答えを覚えるだけで終わらせず、元の条文に戻って確認する習慣をつけると、同じミスを減らしやすくなる。
40問・36点以上の区域でも、落とせるのは同じく4問までだ。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)
合格率は公示に載っていない。数字の見方
運輸局が試験ごとに公表するのは、受験者数、合格者数、最高点、最低点、平均点だ。
合格率そのものは載っていないが、受験者数と合格者数から自分で割り出せる。
ネット上で見かける合格率は、運輸局や年度が書かれていなければ参考程度にとどめたい。実際の様子は、関東運輸局が公示する直近の実施結果で確かめるのが確実だ。
出典:関東運輸局 公示「個人タクシー事業の法令試験(事前試験)実施結果について(令和7年7月2日実施分)」
勉強を始める時期の考え方(受験資格を満たす1年前くらいから)
個人タクシー第一事業団協同組合の案内では、受験勉強は受験資格を満たす1年前くらいから始める人が多いという。
受験月の3か月前までに合格レベルに仕上げる必要があり、法令試験のみの現在は4か月程度で合格レベルに達する人も多いとされている。
この目安で11月の試験から逆算すると、8月ごろに仕上げ、4月ごろには勉強を始めておきたい。働きながらなら、さらに余裕をもった計画が安心だ。
怖がる必要はないが、軽く見るのもよくない。
出典:個人タクシー第一事業団協同組合「個人タクシー試験講習会」
7.勉強法|講習会・過去問・教材の使い分け
やり方は人それぞれだが、押さえどころはある。
組合や協会の勉強会・講習会でできること
個人タクシーの協会や組合では、試験対策の勉強会や講習会を開いているところがある。
たとえば東友個人タクシー協同組合は、開業を目指す人を対象に、月2〜3回の勉強会を実施していると案内している。
個人タクシー第一事業団協同組合は、東京23区・武蔵野・三鷹を対象にした講習会で、「個人タクシー実務必携」などの市販教材のほか、独自の教材や模試を使うと案内している。
こうした場では、法令の読み方の手ほどきを受けられることが利点だ。
一方で、講習会の内容や費用、参加の条件は組合ごとに異なる。参加を決める前に、資料や説明を受けて条件を確かめてほしい。
出典:東友個人タクシー協同組合「個人タクシー開業を目指す方へ」/個人タクシー第一事業団協同組合「個人タクシー試験講習会」
過去問の入手先と使い方(古い過去問の注意点)
過去問は、日個連東京都営業協同組合が、各運輸局の法令試験の過去問題を運輸局ごとに公開している。
使うときの注意点が2つある。
まず、日個連東京は、令和3年以前の試験問題は、その後の法改正等で正解が逆転するものが多数含まれているとして、掲載を撤収したと明記している。
古い過去問は、現在は正解が違っている場合がある。
次に、公開されている模範解答は、運輸局の公式のものではなく、団体が判断したものだ。運輸局の見解と異なる可能性がある。
新しい回から順に解き、解説の根拠は元の条文で確かめると、誤った覚え方を防げる。
独学で進めるなら、範囲の条文を一覧にして潰す
組合や協会の講習会に参加しない場合でも、出題範囲が公示の別表で決まっているので、独学を進める手がかりはある。
進め方の一例として、公示の別表を元に、法令名と条文を一覧にする。
それぞれについて、条文を読み、過去問で出題のされ方を確認し、できなかった条文に印を付けて繰り返す。
範囲外の条文には時間をかけない、と決めておくことで、勉強時間を配分しやすくなる。
乗務しながら勉強するときの注意(事故・違反で資格を失わない)
勉強を続けている間も、乗務は続く。安全面と職場環境の両方から考えておきたい。
事故・違反で受験資格を失わないために
個人タクシー第一事業団協同組合の案内は、乗務しながら短期で仕上げようとすると負担がかかり、無理がたたって事故や違反をしてしまうと受験資格を失い、全てが台無しになるおそれがあると注意を促している。
勉強の時間をつくるために睡眠や休憩を削ることは、おすすめできない。
休みの日に集中して学ぶ、乗務の前後に短い時間で条文を見直すなど、無理のない計画にして、安全運転を最優先にしてほしい。
出典:個人タクシー第一事業団協同組合「個人タクシー試験講習会」
働き続けられる職場かどうかも確認しておく
個人タクシーを目指すなら、乗務を続けられる職場環境も大切だ。
当社の転職支援者によると、同じ会社でも営業所によって所長や配車担当、教育担当が異なり、雰囲気や働きやすさが変わるケースがある。
無理のない運行スケジュールや、入社後のフォローの有無も、働き続けやすさに影響するという。
ただし、職場を変える場合は運転経歴の要件に注意したい。
日個連東京の受験要領によると、受験申込日時点で35歳未満の方は10年以上同一会社で、35〜39歳の方は原則として直近3年以上の継続乗務が必要とされている。
転職を考えるときは、先に自分の年齢の要件を確かめておくと安心だ。
一人で転職活動を進めるのに迷ったら、ドライバー専門の転職エージェントを頼ってみるのも一つの手だ。
ドライバー業界特有の慣習や各社の実態に詳しい専任のエージェントが、転職活動をサポートしてくれる。
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8.合格したのに申請できなくなる?失効・無効の落とし穴
受かって終わり、じゃない。ここが意外と見落とされやすい。
受験日と開業申請日の2回、要件が問われる
試験に受かっても、開業の申請で要件を満たせなければ、先に進めない。
日個連東京の受験要領は、運転経歴は受験申込日と、その後の開業申請日の2か所で問われると説明している。
たとえば、開業申請日の時点でも30代で継続乗務が必要な方は、合格したからといって乗務を辞めることはできず、少なくとも開業申請日までは乗務を続ける必要がある。
辞めてよいかどうかは経歴によって異なるため、退職を考えるときは、事前に勉強会や受験申込を取り扱った団体に相談するよう案内されている。
年齢の上限をまたぐと受験が無駄になる場合
年齢の上限は、受験の可否だけでなく、合格証の期限や開業申請の時期にも関わる。
申込日は64歳でも、申請時に65歳なら受験が無駄になる
日個連東京の受験要領は、受験申込日では64歳でも、その後の開業申請のときに65歳になっていると、受験が無駄になってしまうと説明している。
このような場合は、譲渡譲受の申請をしてから受ける「申請後試験」しか方法がない。
ただし、譲り渡す相手が現れなければ進められないし、申請の時点で営業所(住居)、資金、法令遵守などの要件をすべて満たす必要がある。
63歳を過ぎて合格すると、合格証の期限は2年より短くなる
5章で見たとおり、関東運輸局の公示では、合格証の有効期限は「発行日から2年」と「65歳に達する日の前日」の早い方だ。日個連東京によると、発行日は合格発表の日になる。
この2つを重ねると、65歳が上限の区域では、63歳の誕生日以降に合格証が発行された場合、65歳の前日の方が先に来る。
使える期間は2年より短くなるため、年齢が上限に近い方は、合格から開業申請までの段取りを先に組んでおきたい。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)/日個連東京都営業協同組合「事前試験の受験要領」
合格証の期限切れ・合格無効(後から要件を満たさないと判明した場合)
合格証の有効期限が過ぎたり、合格が無効になったりすると、改めて試験に合格し直す必要がある。
関東運輸局の公示には、試験の合格後に受験資格の要件に該当していなかったことが判明した場合は、その合格が無効になると書かれている。
日個連東京の受験要領は、資金がなくても受験自体はできるものの、受験したあとで資金を用意できず、合格証が無効になった方が何名かいるため、勧めないと注意している。
合格後は、速やかに要件を示す書類の準備に着手し、資金や営業所の準備をあわせて進めることが、期限切れを防ぐ近道だ。
受かってから慌てるのが一番つらい。先を見て動くことだ。
出典:関東運輸局 公示「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」(令和8年2月17日)/日個連東京都営業協同組合「事前試験の受験要領」
9.自分の地域の公示を確認する3つのステップ
最後は、自分の地域の情報に当たる方法だ。3つのステップで進めよう。
ステップ1:管轄の地方運輸局を調べる
まずは開業したい区域を決め、その区域を管轄する地方運輸局を調べる。
東京23区・武蔵野・三鷹なら関東運輸局だ。ほかの地域で開業したい場合は、「運輸局名」で検索すれば公式サイトが見つかる。
ステップ2:法令試験の公示と審査基準を読む
関東運輸局のサイトでは、「タクシー事業を始めるには」のページに、個人タクシーの法令試験の公示や審査基準がまとめて掲載されている。
試験ごとに「個人タクシーの法令試験の実施について」という公示も出され、試験日や対象者が示される。
ほかの地域の場合は、管轄の運輸局のサイト内で「個人タクシー」「法令試験」「審査基準」と検索すると、同じような公示が見つかる。
読むときは、次の点を確認しよう。
- 問題数、合格基準、試験時間
- 受験申込書の提出先と受付期間
- 試験の実施時期
- 出題範囲の別表
- 改訂日(最新の版かどうか)
出典:関東運輸局「タクシー事業を始めるには」/関東運輸局 公示「個人タクシーの法令試験の実施について」(令和8年10月8日)
ステップ3:分からない点は運輸支局や組合に相談する
公示を読んでも分からない点は、管轄の運輸支局や、個人タクシーの協会・組合に確認できる。
相談するときは、自分の年齢、運転経歴、開業したい区域を整理して伝えると、話が早く進む。
結局は、一次情報に当たるのが確実だ。
10.個人タクシーの資格試験に関するよくある質問
本文で触れきれなかった疑問をまとめた。
-
開業したい区域に住んでいなくても、個人タクシーの試験は受けられますか?
-
日個連東京都営業協同組合の受験要領では、居住地は開業申請日の時点で開業したい営業区域内に住んでいればよく、受験申込の時点では区域外に住んでいても受験できると説明されている。
たとえば千葉や所沢に住みながら、東京の特別区・武三交通圏の試験を受けられるとされている。関東運輸局管内の例なので、ほかの地域では管轄の運輸局や団体に確認してほしい。
-
試験に合格してから、個人タクシーを開業するまでどのくらいかかりますか?
-
合格後は、新規許可の申請をするか、譲渡譲受の相手が現れるのを待つことになる。
特別区・武三交通圏などの準特定地域では、新規許可の申請受付は年3回で、令和8年度は5月1日〜6月1日、9月1日〜9月30日、令和9年1月1日〜2月1日だ。参入枠と同数の許可がすでに出た区域では受け付けられない。
出典:関東運輸局「準特定地域における個人タクシー事業の参入枠等について」(令和8年8月6日改正)
11.まとめ|個人タクシーの資格試験は「法令試験の正確さ」と「段取り」がカギ
ここまで読んだなら、試験の輪郭はつかめたはずだ。この記事のポイントは、次の3つだ。
- 現在の試験は法令試験だけ。新規許可の申請には事前試験の合格が必要で、数字や範囲は管轄の運輸局の公示で確かめる
- 東京23区・武蔵野・三鷹は45問・41点以上・60分(関東のそれ以外の区域は40問・36点以上・50分)。どちらも誤答は4問まで
- 合格証には期限があり、受験日と開業申請日の両方で要件が問われる



試験の中身が分かれば、あとは段取りだけだ。焦らず、でも後回しにせず、一歩ずつ進めればいい。…まあ、そんなもんだ。








